PWM (Polskie Wydawnictwo Muzyczne)
(ポーランド音楽出版社)
タデウシュ・オレフスキが1945年、クラクフに設立した出版社で、ポーランド音楽出版協会(ワルシャワ、1928年設立)の出版物を引き継いでスタートしました。ポーランドの代表的な作曲家、ショパン、モニュシュコ、ヴィエニャフスキ、シマノフスキ、そして女性作曲家バツェヴィツらが主要な作曲家といえるでしょう。前衛的な書法で国際的に知られるようになったペンデレツキ、ルトスワフスキ、グレツキらの作品は、日本向けには西側の出版社(ショット、チェスター、ブージーなど)が販売している場合が多いので注意が必要でしょう。
主力商品は何と言ってもショパン! イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860-1941)らによる全集(いわゆるパデレフスキ版)とヤン・エキエルらによる全集(いわゆるナショナル・エディション)が現在も並行して販売されています。パデレフスキ版は1949年から62年(つまりパデレフスキの没後!)にかけて販売楽譜21冊と管弦楽パート譜が刊行されたもので、20世紀中は全世界の著名なピアニストに広く使用されました。ナショナル・エディションは1967年から2010年にかけて全36冊と補巻1冊が刊行されました。自筆譜、初版譜を中心とした原典資料を徹底的に調査したエディションで、ショパン・コンクールの推奨エディションに指定されています。作曲者生前に出版された作品のシリーズA(クリーム色の表紙)と没後出版作品のシリーズB(白い表紙)に分かれているのが大きな特徴です。また、2曲のピアノ協奏曲には従来、演奏されてきたヴァージョン(第三者の改竄が見られる)に則って校訂したヒストリカル・ヴァージョンと、ショパン自身による形態(オーケストレーションなどが大きく異なる)を復元したコンサート・ヴァージョンの2種類があります。
なお、1980年代末まではポーランド唯一の楽譜出版社でしたので、クラシックの印刷楽譜に限らず、映画音楽(前衛作曲家の活躍の場でした)やジャズなど、ポピュラー音楽の権利出版者でもあったことも特筆すべきポイントでしょう。




