上尾 直毅 著
「毎日の練習に最良のガイドブック」
発行:アカデミア・ミュージック
通奏低音の和音を
自分で付けられるようになるための
最高の教材が誕生しました。
古楽の本場で研鑽を積んだ著者が、
自らの演奏や指導の経験を元に、
その極意の一端を伝えます。
初心者にはもちろん、
数字を一通り読める方にとっても
新たな発見と喜びが
得られることでしょう。
鍵盤楽器奏者はもちろん、
歌手や旋律楽器奏者も、
バロック音楽を演奏する
すべての方にお薦めします。
通奏低音の世界に、
この本を通して
あなたも
足を踏み入れてみませんか?
単に数字の読み方だけでなく、演奏に役立つノウハウも満載です。
各章では原則1種類の数字(または「型」)だけを扱います。1つの型に集中してさまざまな調で繰り返し練習し、少しずつ前進する構成のため、学習者は消化不良になることなく、自然に指が動くようになるまで身に着けることができるでしょう。
限られた種類の和音のみで演奏できる楽曲から、多くの数字を含んだ比較的規模の大きな楽曲まで、学習段階に応じて楽しみながら実践的な学習ができます。
目次 | |
---|---|
序文・通奏低音について | |
通奏低音の勉強を始めるにあたって | |
1. | 三和音 基本形 |
2. | 三和音 第1転回形 |
3. | の掛留を伴う終止形 |
4. | 三和音 第2転回形との掛留を伴う終止形 |
5. | 四和音 基本形との掛留 |
6. | 四和音 第1転回形 |
7. | 四和音 第2転回形 |
8. | 四和音 第3転回形と |
9. | 掛留 |
10. | 二重掛留と |
付録 | 終止形の基礎練習 |
バッハやヘンデルなどいわゆる「バロック」のアンサンブル音楽の中で、大事な役割を果たしている「通奏低音」。 これを理解したい、できるようになりたい、という人のために、すばらしいトレーニングブックが登場しました。
バスラインとそれに付された数字を頼りに、いったいどんな音を弾けば良いのか、そこに「大原則」があるものの、状況によっては必ずしもその通りとは限らず、言葉で説明するのは難しい領域です。本書は、そこをいくつかある数字の「型」ごとに、出発点となる原則を理解し、「練習課題」で基本パターンを身体になじませ、最後に当時の「実例からの抜粋(サンプル曲)」に取り組む仕掛けになっています。外国の類書と比べても、この「サンプル曲」の質と量の充実ぶりはすばらしく、ご自身が経験豊かな通奏低音奏者である上尾氏ならではの優れたお仕事だと思います。
通奏低音に講習会や授業などでトライしたことのある方はご存知のように、通奏低音は、残念ながら1回や2回の講座を受講したくらいではできるようにならず、どうしても一定期間毎日のようにコツコツ、地道なトレーニングに励むことによって身につける必要があるのですが、本書はそのような毎日の練習に最良のガイドブックといえるしょう。
オランダでは、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でチェンバロをG・レオンハルト、A・アウテンボッシュの両氏に師事、デン・ハーグ王立音楽院でフォルテピアノをS・ホーホランド氏に師事し、それぞれソリスト・ディプロマを得て卒業。 デン・ハーグ王立音楽院古楽器科の伴奏員、オランダ室内管弦楽団のチェンバロ奏者などを勤めた。
鍵盤楽器の他、宮廷バグパイプ「ミュゼット」を独自に研究、インターネット上で発表している。
現在、「オーケストラ・リベラ・クラシカ」(指揮:鈴木秀美)、声楽アンサンブル「ラ・フォンテヴェルデ」(主催:鈴木美登里)、「レ・ボレアード」(指揮:寺神戸亮)などの古楽オーケストラやアンサンブルのメンバーとして活躍している。 2017年には上野学園大学が所蔵するオリジナルのタンゲンテンフリューゲル(タンジェントピアノ)を用い、鈴木秀美率いるオーケストラ・リベラ・クラシカと共にモーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュナミー」を演奏し、この公演の模様はNHK「クラシック音楽館」で放映され好評を博した。 雑司ヶ谷「拝鈍亭」にて2012年から行ってきた、ハイドン「鍵盤作品全曲演奏会」と「ピアノトリオ全曲演奏会」の2つののシリーズをそれぞれ2021年、2023年に完結した。