フィンジの作品の中ではクラリネット協奏曲と並んで人気の高い、叙情的な作品です。作曲は1928年ですが、出版に先立つ1951年に改訂しています。フィンジーは1940年にニューベリー弦楽合奏団を結成して、自作の他、18世紀イギリスの忘れられた作品を精力的に紹介しています。この「ロマンス」の現行版にはアマチュアを主体とするグループでの演奏経験が反映されているのかもしれません。重音を避けてディヴィジを多用する、高音域は第1ヴァイオリンの上半分が受け持つ、といった配慮で豊穣な響きを中程度の難易度で達成しています。
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