バッハのフルート・ソナタを偽作も含めて全曲校訂したバルトルト・クイケンがトリオ・ソナタに取り掛かりました。BWV 1021, 1022とほぼ同じ通奏低音を持つBWV 1038はバッハによる手稿譜が存在するものの、その様式から疑義が持たれてきた作品です。クイケンは序文において、カール・フィーリプ・エマヌエルが上声を書いたという従来の学説に反論を唱えています。作品の成立を巡る最新情報を盛り込んだ序文とともに、従来の誤りを正した楽譜テクスト、様式に適った通奏低音のリアリゼーションも大きな特徴です。
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