フランシスコ・コレーア・デ・アラウホ(1584-1654)の現存する全作品であるとともに、スペイン音楽におけるバロック様式を確立した 'Libro de tientos...'(以下「ティエント集」)に約30年ぶりの新校訂版が登場しました。動詞 'tentar'(手探りする) を語源とするティエントはリチェルカーレに相当する曲種で、ディスクルソは演奏技巧上、さらに発展したティエントを指しています。声部間の模倣を軸として始まった曲はやがて音色の急変、即興、不協和音、装飾によって撹乱され、ここに情動的な力によって進む、新時代の音楽を見ることができるでしょう。
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