当時のタイトルではオーボエ協奏曲となっていますが、コンチェルト・グロッソ op. 3 の鍵盤編曲です。18世紀後半のロンドンではヘンデル作品の鍵盤編曲が数多く刊行されていました。それらの多くは機械的なリダクションに終始しており、超有名曲を除けば今日のレパートリーには成り得ませんでした。そうした中でこの無名の編曲者による「有名な 'オーボエ' 協奏曲」では原曲の対比を再現し、重要な声部を際立たせ、弦楽の和音を素早い3度ないし6度の動きに置き換える、などさまざまな創意によって輝かしい、鍵盤楽器のための表現が見られます。
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