第1楽章冒頭からピアノが活躍する、第2楽章が短調に拠っている、といった特徴を備えたモーツァルトのピアノ協奏曲中でもとりわけ魅力的な作品、第9番 KV 271 の自筆譜(ポーランド、ヤギェウォ図書館所蔵)がファクシミリ版で刊行されました。自筆譜自体の状況が良好なうえに、判読困難な箇所がほとんどない、という点で一般の愛好家にもお薦めできます。なお、新モーツァルト全集の編集時にはこの自筆譜を資料として参照できませんでしたので、研究資料としても大いに注目されるでしょう。
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