ナチュラル・ホルンがまだまだ根強い人気を保っていた19世紀末(1882年)の作品ですが、変ホ長調の楽曲でホルンが現代的なヘ調で記譜され、しかも調号が用いられている、といった自筆譜の特徴から、この曲がヴァルヴ・ホルンのために書かれたことがはっきりわかるでしょう。シュトラウスが繰り出す豊かな旋律と巧みな転調にふさわしいのはやはり半音階を自由に演奏できる楽器でしょう。第1楽章から切れ目なく続く変イ短調の第2楽章、その中間部でのホ長調への転調はとりわけ見事な部分でしょう。
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