「死と乙女」、「ます」が書かれた1817年(シューベルト20歳の年)はピアノ・ソナタの年でもあり、その年の6曲のソナタ中、特に充実した作品が4楽章構成のD 575です。ロ長調という当時としては型破りな調性にもその意欲が現れています。この作品では2点の手稿譜を資料として用いて初版譜の問題点を訂正した近年の校訂版が何と言ってもお薦めです。さらにこのヘンレ新版では資料上からは訂正できない疑問点を類似箇所からの類推で訂正案を脚注で示しています。
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