1785年、作曲時点で14歳だったベートーヴェンの作品。モーツァルト風の典雅な旋律、特に甘美な緩徐楽章が印象的な一方で、技巧的なピアノの輝かしさには後年のピアノ協奏曲を連想させます。夢見るようなアダージョで始まる変ホ長調では激烈な第2楽章(変ホ短調)との対比が見事。生前に出版されなかったこともあって、ピアノ・ソナタ第1番、第3番に素材が転用されていますので、それらとの比較も興味深いでしょう。自筆譜に基づくこの校訂版では配列を自筆譜通りにしていますので、従来の第3番、第1番、第2番という配列です。
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