1918年夏以降にエルガーが手掛けた充実した作品群の一つがこのヴァイオリン・ソナタです。悲惨な大戦の反映が感じられる悲劇的な第1楽章はブラームスを連想させる、ロマン派本流の格調の高さが感じられます。「愛のあいさつ」に代表されるサロン音楽とは異質のエルガーの真価が現れた名曲と言えるでしょう。ピアノ・スコアとヴァイオリン・パート譜に無視できない相違点がみられるものの、オリジナル出版社の版で演奏されてきた作品に初版譜と自筆譜を慎重に照合したヘンレ原典版が登場しました。
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