現存する源泉資料は初版譜のみという校訂上の問題作。ジョナサン・デル・マーは注意深く校訂を行い、多くのディナーミクの脱落、さらに音の誤りを指摘しています。演奏慣習に関する序文は op. 10 でも重要なポイントが指摘されています。一部のエディションに見られる、初期ピアノ作品の音域の「拡張」は、独奏曲の場合は不適切であることを作曲者の書簡を論拠として指摘している点などはその好例と言えるでしょう。
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