20世紀半ばまで絶大な人気を誇ってきた曲です。作曲者自身はこの曲を代表作と見なされることに困惑していましたが、年代を超えてラフマニノフの作品全体に通底するロシア的な憂愁がこの小品に凝縮されていることもまた確かでしょう。初版の誤植を訂正した1911年再版を基礎に、初版の彫版用見本として使用された自筆を参照した校訂版です。楽譜冒頭と見開きになる左側のページにはこの作品が初演されたモスクワ電気博覧会の図版が掲載されており、当時の雰囲気を知る手掛かりとなるでしょう。
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