近年、1834年改訂稿が注目されている作品ですが、本書は広く演奏されているロンドン初演稿(1833)です。作曲者が熱望した第1楽章の全面改訂が実現しなかったことを重視する校訂者は折衷版を編むよりは、いったんは公式に演奏された1833年稿を採るのが適切だとしています。ロンドン初演で用いられた自筆スコアを底本としています。顕著な相違点として、従来の諸版では記号としてのスタッカートは点のもののみが用いられていたのに対し、本書では源泉資料に基づいて終楽章には楔形のスタッカートも用いられていることが挙げられるでしょう。
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