ハ長調やイ短調の序曲とは別の作品です。1900年に急遽、演奏会用序曲が必要になった際に歌劇「塔の乙女」の序曲を改作、拡張したのがこの作品です。後年の作曲者のメモ書きからは「クレルヴォ」交響曲に組み入れることが考えられていたようです。「塔の乙女」序曲の自筆浄書スコアを主な資料として復元したこのスコアが初出版となります。作品番号こそないものの、初期作品ではなく、交響曲第1番よりも後に書かれています。「レミンカイネン組曲(4つの伝説)」や「クレルヴォ」交響曲と共通する雰囲気を湛えた注目すべき作品と言えるでしょう。
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